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メトロノーム症候群は メッキ99%、金1%でできています。
 
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4月1日 (土)

朝起きると、俺はなぜか死んでいた。





「ま…まさ、か」


「4月1日はお前の誕生日だろう?」


「俺は…俺は…っ」


「俺達は…すれ違っていたんだ…」



そう、俺達はどこかで…


道を…間違えていたんだ


その時、光は言った

「お前は生きろ」


「え…?」

何を言っているんだ?俺はもう…



「お前なら、まだ、間に合う」


「どういう意味だ…?それ?」


「幽霊は同じ幽霊を殺すと…



俺は直感的に気づいた


「…生き返ることが…できるのか?」


「あぁ。」


でも、それじゃあ…

罪も無い光を殺した俺が…



「俺を殺せ。光。」


「…そんなこと、できない。」


「俺だって…」


「今、幽霊界では殺し合いが起きているんだっ…」


「やっぱりお前が生きろ…」


「早くしてくれ…お願いだ…」


「わかった…光。そのかわり、
最後まで質問させてくれ。」


「…ああっ、わかった、早く言え」


「なぜ、俺は死んだ?」


「…知りたいか?」


「…もったいぶんなよ」


「知ったら…お前は傷つく」


「は?時間がないんだろ?」


「後悔するぞ?」


「俺の人生もう後悔だらけだよ」




「あの日…お前は…


俺を殺したことを…

お前の母ちゃんに言わなかったか?」


「…覚えてない」



…母さん?


今となっては光との記憶は

はっきりとしているのに、


母さんとの記憶だけは…



「そ、そうか、覚えてないか。」


「なんだよ?気になるな」



「お前は母さんに殺されたんだよ」


「は?」


「思い出したか?」


「ぶっ…ははははははははっ」


「あ?」


「冗談キツイぜ?おい」


「…だと思うだろうな」



こいつ、ふざけてやがる。

まったく、母さんが俺を殺す…はず…






「…?」


また頭痛が始まった



小さいころ母さんが読んでくれた

本が頭の中でリピートされる





でも、昔感じた心地よさは無い





なんだ?  …この感覚は?




記憶が…本当の記憶が、戻ってきた

一気に情報がはいってくるようで


気が狂いそうだ…



「やっと、思い出したか」


「…う、そだ…嘘だっ」


「現実を…受け止めろ」



何で、何で母さんは…



若くて、綺麗で、優しくて…

俺は母さんが大好きだった


なのに



何で…?



そういえば、母さんはやたらと

世間体を気にしていたっけ




俺が光を殺したのを聞いた母さんが?


絶望と悲しみで嗚咽が込みあがる



光はずっと、そばにいてくれた




「佑、佑、佑っ」


「何だ」


「追っ手が来た」


「…光、お前やっぱ生きろよ」


「逃げろ、早くっ」







「ぁ…あ」


「ぐっ…ふ…ぅ」


「ひ、かる、光…っ!?」





光は瞬時に俺の手に短刀を握らせ、


自分の腹を押し付けた





「が、あ、ぁああっ」


「ゆ、佑、お前は…生きろ

生きて、生きて、生き延びて…っ

…織を…たの…む…な」





光は腹に刺さった短刀を

さらに深く…刺した



「生きろよ」




その言葉が、光の…最後の…


「光っ!?光、光、ひか…るっ…」


気がつくと体が透けていた



「聞きたい事…1つ…のこって…




気がつくと俺はあのカビ臭い家に


横たわっていた






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