4月1日 (土)
朝起きると、俺はなぜか死んでいた。
「光は…お前の家で見つかった。」
…今、然は…何と?
「お前が殺したんだろう。佑。」
然はそんなこと言わないと思った。
知ラナイ。知ラナイ…ソンナコト。
俺は走った。幽霊なんだから
走ったとういうのかはわからないが。
然が後ろで叫んでいるのが聞こえた。
それでも俺は走った。
あのままそこにいると…
然モ殺シテイルトコロダッタ?
…今、俺は?
今までの記憶がいっぺんに
頭の中を走り抜けた。
眩暈がして倒れそうだった。
幽霊でも眩暈がするんだな…とか、
笑ってる自分もいて吐き気がした。
ソウ、光ハ俺が殺シタンダ。
本当に些細なことだった。
---------光が俺を疑ったから。
織を俺が取ったんじゃないか…と。
織と光は付き合っていた。
小柄で可愛くて明るい織と
温厚で頭のいい光。
これ以上無いくらい似合っていた。
別れは確か織に、
他に好きな人ができたらしい。
俺には織の相手を知るよしも
無かったと言うのに…
事実、織の相手を知ったのは
ここ最近だった。
織の相手が…
然だったことを知ったのは。
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